柏塘山茶(Bǎitáng shānchá、柏塘山茶)は、広東省恵州市博羅県柏塘鎮の山岳緑茶である。「山茶」の名は「山の茶」を意味し、日本のツバキを指すものではない。原料は地元の小葉種の灌木から得られ、その中には珍しい紫芽の形態も存在する。2015年より地理的表示保護製品として保護されており、2019年の市級標準では本品を緑茶として記述している。形状は細く撚れた条索、色沢は濃緑で油潤、香気は「炒米香」または「花蜜香」、味は醇厚で甘い余韻が残るとされる。
1. 分類と原産地
- 種類: 緑茶(绿茶、lǜchá)。標準 DB4413/T 6—2019 は本品を「緑(山)茶」と呼び、その製法も緑茶のものである。カードでは分類を未確定としていたが、標準がこれを確定している。
- カテゴリ: 地元小葉種個体群に由来する山岳緑茶。地理的表示保護製品(2015年公告第143号)。
- 原産地: 中国、広東省(广东、Guǎngdōng)、恵州市(惠州、Huìzhōu)、博羅県(博罗、Bóluó)、柏塘鎮(柏塘、Bǎitáng)。
- 保護地域: 標準によれば、柏塘鎮の現行行政区域の全域。地図は附属書Aに示されている。
- 地理座標: 標準によれば、北緯23°23′、東経114°21′。
2. 歴史と文化的意義
- 歴史:
- 羅浮山の伝承. 地元メディアは柏塘茶を羅浮山(罗浮山)の茶の代表とし、その歴史を「晋に起こり、唐に興り、宋に盛んになった」(起于晋、兴于唐、盛于宋)と説明する。柏塘茶そのものに関する文献はこの説を裏付けておらず、これは伝承であって年代記ではない。
- 専門鎮. 広東省は柏塘を「山茶専門鎮」として認定している。
- 2015年 — 保護. 国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)が2015年公告第143号により柏塘山茶を地理的表示保護製品として保護した。公告の正確な日付は確認できる資料にはない。
- 2017年 — 最初の標準. 地方標準登録簿によれば、市級標準以前に同名の省級標準 DB44/T 2053-2017 が存在したが、現在は廃止されている。
- 2019年 — 2020年 市級標準. 恵州市市場監督管理局が「地理標志産品 柏塘山茶」を2019年12月26日に承認し、2020年1月26日に施行した。基礎となったのはAQSIQの専門家審査を通過した「柏塘山茶質量技術要求」である。
- 名称: 「柏塘」(柏塘)は鎮の名。「山茶」(山茶)は「山の茶」を意味する。標準における英語名は「Baitang tea」。
- 文化的意義: 中国語版ウィキペディアは、この鎮の茶への特化を地勢で説明している。耕地が少なく山が多いため、斜面が山茶に充てられている。
3. 植物学的記述と原料
- 品種・個体群: 標準によれば、地元個体群(本地群种)に2形態がある。小葉種茶(小叶种茶、xiǎoyèzhǒng chá)と小葉種紫芽茶(小叶种紫芽茶、xiǎoyèzhǒng zǐyá chá)。中国語版ウィキペディアは紫芽形態を全国的に珍しい茶種(全国稀有茶种)と呼び、茶農家向け研修の場である高橋(高桥)の茶園で専門家が発見したとしている。
- 灌木の記述: 地元メディアは灌木を低木で、葉が細く先端が尖ると記述する(株形矮小,叶细而尖)。標準に植物学的記述はない。
- 摘採基準:
- 特級: 単芽が90 %以上、一芽一葉が10 %以下。
- 一級: 一芽二葉が70 %以上、一芽三葉が30 %以下。芽の長さは葉以上であること。
- 摘採時期: 春は春分(春分、chūnfēn、3月20日頃)から芒種(芒种、mángzhòng、6月上旬)まで。秋は白露(白露、báilù、9月上旬)から大雪(大雪、dàxuě、12月上旬)まで。
- 摘み方: 新芽は折り取るか引き抜く。爪で摘むこと、剥ぎ取ること、切り取ること、機械収穫は標準では推奨されない(不宜)。
4. テロワールと栽培の特徴
- 地域: 博羅県北部。地形は北から南東へ向かって低くなる。ウィキペディアは柏塘を面積264.24 km²、標高0~901 mの丘陵地帯と記述する。
- 標高と傾斜: 標準は標高60 m以上、平坦地および傾斜25°までの土地を適地とする。
- 気候: 南亜熱帯モンスーン気候。標準によれば、年平均気温22.1 °C、降水量1918 mm、日照時間1871.5時間。「夏は暑く、冬は涼しく、春秋は温暖」。茶には20~25 °Cと散乱光が適する。
- 土壌: 羅浮山、象頭山(象头山)、南昆山(南昆山)、桂山(桂山)の町内斜面に分布する赤色土と黄色土。土層の厚さ1 m以上、有機物含量1.5 %以上、pH 4.5~6.5。
5. 製造工程
標準は以下の順序を定める。
- 摊青(tānqīng): 生葉を広げて萎凋させる。
- 殺青(杀青、shāqīng): 加熱により酸化を止める。
- 揉捻(róuniǎn)。
- 解塊(解块、jiěkuài)。
- 炒乾(炒干、chǎogān)。
温度や時間は標準に記載がない。添加物、着色料、茶以外の混入物を禁じ、「火工高」(火工高)、すなわち火入れ香の強いことを香気に求めるが、それを実現する具体的な条件は確認できる資料にない。
地元メディアは工程を異なる順序で列挙し、最後に「提香」(提香)を置き、解塊を省いている。規範となるのは標準である。
6. 官能特性
標準は両方の原料形態を記述する。共通要件をまとめる。
- 外観(乾燥茶葉): 条索は緊結し、撚れ、細く均整がとれている(粗実、巻曲、緊結、細匀)。色沢は小葉種茶が油潤で均一、紫芽茶が烏緑で油潤、均一(烏緑、油潤、調匀)。
- 乾燥茶葉の香気: 確認できる資料に記載がない。標準は抽出時の香気のみを記述する。
- 水色の香気: やや粗放で「火工高」、自然で清純、濃厚で持続的。「炒米香」(炒米香)または「花蜜香」(花蜜香)のニュアンス。
- 味: 醇厚でやや渋みがあり、甘い余韻が戻る。多煎に耐える(醇厚、略渋、回味甘甜、耐沖泡)。
- 水色: 小葉種は柔らかく明るく澄んでいる(柔亮、清澈)。紫芽種はやや褐色を帯び、柔らかく明るく澄んでいる。
- 抽出後茶葉: 確認できる資料に記載がない。標準はこれを規定していない。
7. 化学成分
標準の物理化学的要求。
| 指標 | 基準 | 方法 |
|---|---|---|
| 茶ポリフェノール | 24.0 %以上 | GB/T 8313 |
| 水浸出物 | 40.0 %以上 | GB/T 8305 |
| アントシアニン(花青素) | 2.4 mg/g以上 | GB/T 22244 |
これらは規格値であり、実際のロットの測定値ではない。アントシアニンの基準は標準では両方の原料形態に共通である。この指標が選ばれた理由は本文に説明がない。方法はGB/T 22244、プロアントシアニジン(前花青素)の測定標準であり、実際に何が測定されているかは本文からは明確に判断できない。
8. 淹れ方
緑茶のクラス共通の実践。
- 湯温: 80~85 °C。
- 茶量: 150 mlあたり3 g。
- 茶器: ガラスコップまたは白磁の蓋碗。
- 手順:
- 茶器を温める。
- 茶葉を入れ、湯を器壁に沿って注ぐ。
- 一煎目は40~60秒で出す。
- 茶海に一部を残して飲み、湯を継ぎ足す。標準は多煎に耐えると記す。
9. 保存
クラス共通の実践。密封包装で冷蔵庫0~5 °C、光・湿気・匂いを避け、1年以内に飲み切るのがよい。標準は製品を清潔で乾燥した異臭のない倉庫で保管することを求める。
10. 価格と偽物
価格に関するデータは確認できる資料にない。
- 偽物を避けるために:
- 地理的表示保護製品の偽造防止マークと保護名称を包装で確認する。
- 生産者が博羅県柏塘鎮の業者であることを確認する。
- 外観を照合する。細く撚れた濃緑の条索、「炒米香」または「花蜜香」の香気。
- 標準が緑茶のみを記述していることに注意する。
11. 興味深い事実
- この茶の製造技法(柏塘山茶制作技芸)を地元メディアは博羅県の無形文化遺産と呼ぶ。
- 紫芽形態の水色は標準によればやや褐色がかる。緑茶としては珍しい色である。
- 秋の摘採は大雪、すなわち「大雪」の節気まで続く。
12. 他の広東茶との比較
- 恵東緑茶(惠东绿茶): 同じ地級市の別の県の緑茶をまとめたコーパス記事。一つの鎮の保護製品ではなく、総称。
- 博羅紅茶(博罗红茶): 博羅県の紅茶に関するコーパス記事。柏塘山茶の標準には紅茶は含まれない。
- 古労茶(古劳茶): 鶴山市古労鎮の歴史的緑茶。
- 康禾茶(康禾茶): 河源市東源県康禾鎮の緑茶。
結論:
柏塘山茶は博羅県の一つの鎮に由来する山岳緑茶であり、2015年より保護され、2019年の標準では地元灌木の2形態、すなわち小葉種と紫芽種を併記している。紫芽種は褐色を帯びた水色とアントシアニンの規格値を持つ。晋から宋に至る年代記は伝承とみなすのが妥当であり、細く撚れた条索、「炒米香」の香り、甘い余韻を伴う醇厚な味わいが、標準が杯中に約束するものである。
出典
全リストは「出典」ページへ