古琶茶(Gǔpá chá、グーパーチャ)は、広西チワン族自治区中部の来賓市象州県妙皇郷に産する緑茶で、大瑶山西麓の丘陵地帯を産地とする。その名は思高村委に属する古琶村に由来する。2020年に農産物地理的表示として保護され、2025年には国家知識産権局(CNIPA)により地理的表示製品として認定された。また、製造技術は2021年より自治区級無形文化遺産に登録されている。
1. 分類と起源
- 種類: 緑茶(绿茶、lǜchá)。保護文書に「緑茶」の語はないが、種類は製造技術、すなわち摊放、殺青、揉捻、做形、乾燥という工程から、萎凋や発酵を伴わないこと、また外観、すなわち緑色の茶葉、黄緑色の水色、茶殻から判断される。
- カテゴリー: 広西緑茶。農産物地理的表示(2020年)および地理的表示製品(CNIPA、公告第640号、2025年)。
- 原産地: 中国、広西チワン族自治区(广西、Guǎngxī)、来賓市(来宾、Láibīn)、象州県(象州、Xiàngzhōu)、妙皇郷(妙皇、Miàohuáng)。
- 保護地域: 妙皇郷の12行政村、すなわち大梭村、盤古村、龍頭村、新造村、路村、寮村、妙皇村、山定村、花侯村、塘頭村、橋頭村、思高村。申請主体は象州県経済作物技術指導站。農産物地理的表示の説明によると、保護面積は1000ヘクタール、保護対象となる生産量は乾燥茶1100トンである。
- 地理座標: 東経109°41′〜109°51′、北緯23°44′〜23°56′。保護文書による。
2. 歴史と文化的意義
- 歴史:
- 唐。 2024年の出版物はこの茶の歴史を唐代に遡らせ、陸羽『茶経』の一節として「象州茶,往往得之,其味極佳」(象州の茶はあちこちで見られ、その味はきわめて優れている)を引用する。これは出版物による要約であり、『茶経』の原文の逐語的引用ではない。ここでいうのは唐代の象州全域であり、古琶村がこの文言に名指しされているわけではない。
- 明。 県農業部門の報告(2024年)および『来賓日報』の報道(2020年)によれば、当地での茶栽培は明初期に始まり、手作業で釜炒り乾燥が行われた。同じ報道は地元の伝承として、明末に靖江王の末裔である朱氏一族が象州県納禄に居を定め、毎日この地の茶を飲み、清代には宮廷に献上されたと伝える。ただし献上を裏付ける文書は確認されていない。
- 年代の相違。 同じ報道の導入部は古琶茶の歴史を「200年以上」とし、村のある一族の家伝は、桂平西山から明末に移住した祖先と「400年以上」の歴史を語る。どちらの数字が正しいかは、確認できた資料からは判断できない。
- 2018〜2020年。 2018年末、思高村に新しい茶工場が建設された。2020年、村民委員会はこれに10万元を出資した。2020年5月、古琶茶は農産物地理的表示を取得した。
- 2021年。 象州古琶茶の製造技術が自治区級無形文化遺産に登録された(県農業部門の2024年の報告による)。
- 2023年。 広西標準化協会が団体標準T/GXAS 670—2023「地理標志農産品 古琶茶」を発表した。標準の本文は確認できていない。
- 2024年。 8月10日、中央電視台の番組『非遺里的中国』広西編で古琶茶が紹介された。この放送に関する記事によると、茶園面積は3000ムー近く、200以上の農家が関わり、一年を通じて摘採が行われ、年間生産額は3000万元を超える。
- 2025年。 CNIPA公告第640号(7月16日署名、8月13日公布)により、古琶茶は地理的表示製品として認定された。1409件中の1144番目にあたる。
- 名称: 古琶(Gǔpá)は古琶村、茶は茶を指す。『来賓日報』(2020年)が伝える地元の諺に「古朴出美女,古琶出好茶」がある。後半は「古琶は良茶を生む」の意。
- 文化的意義: 2024年の出版物によれば、思高村の茶園周辺には観光キャンプ場や摘採・製茶体験ツアーが整備され、県は茶蓉餅からレモンティー、ミルクティーに至るまで10種以上の関連製品を開発している。2021年の県の報告によると、茶は広東、湖南、安徽、河北に出荷され、郷の農家の収入源となっている。
3. 植物学的特徴と原料
- 品種: 保護文書によると「古琶茶地方群体種」、すなわち古琶茶の在来群体種。選抜品種は文書に記載されていない。
- 芽の色: 2024年の出版物によると、芽は緑色、紫色、紫紅色のものがあり、紫色は葉の色素沈着(紫化)による。思高村に工場を建設した企業家の言葉として、2020年の報道では最良の原料は紫芽とされる。同じ報道によると、当時思高村には40ムーの移植された紫芽茶があり、村のある家のそばには樹齢百年の茶樹が生えていた。
- 摘採: 保護文書によると、季節ごと、回次ごとに手作業で「提采」(指先で摘む方法)により行う。鮮葉は新鮮で完全、均一で、果実や古葉、茎を含まない。最良の原料は一芽一葉、良質は一芽二葉である。
- 植栽: 等高線に沿って単列または複列で、1ムーあたり約5000株、段々畑では約7000株とする。浅刈りと深刈りを交互に行う。
4. テロワールと栽培の特徴
- 地域: 広西中部、大瑶山(大瑶山、Dàyáo shān)西麓。思高村の茶園は天蓋山のそばにあり、県の報告によると霧がよく立ちこめる。
- 栽培高度: 標高300〜600mの丘陵地。農産物地理的表示の説明による。
- 気候: 南亜熱帯湿潤モンスーン気候。日照時間は年間約1650時間、平均気温は20.8℃、無霜期間は330日以上、降水量は約1400mm、相対湿度は77%。保護文書の説明は、昼夜の気温差が大きいことをアミノ酸含有量の高さとカフェイン含有量の比較的低さに結びつけている。
- 土壌: 主に紅壌(赤色土)。有機物は平均約45g/kg、pHは4.5〜5.5。保護文書の説明による。CNIPA文書は圃場の要件をより広く定め、pH4.5〜6.5、水はけのよい開けた斜面で風を避けること、傾斜20°未満では等高線植栽、20〜30°では段々畑とすることを求めている。
- 水: 灌漑には大瑶山の水源涵養林からの湧水と雨水を用いる。
5. 製造技術
保護文書は半機械化された加工工程を定める:鮮叶 → 摊放 → 殺青 → 揉捻 → 做形 → 烘干 → 提香。これはこの茶に固有の記述である。
- 摊放(tānfàng): 専用の容器で、春は6〜8時間、夏秋は3〜4時間。葉が柔らかくなり、清らかな香りが立ち、含水率が約70%に下がるまで行う。
- 殺青(shāqīng): ドラム式機械を用い、260〜280℃。晴天時の若い葉は約4分、粗い葉や雨天・朝露のある葉は約5分。残存含水率は約55%。
- 揉捻(róuniǎn): 揉捻機で15〜25分。特級および一級原料では80%以上、二級原料では60%以上の葉が条索状に撚られ、汁液がにじみ出る状態を目指す。
- 做形(zuòxíng): ドラム内で120〜180℃、約6分。香りが立ち、葉がわずかに湾曲するまで行う。
- 烘干(hōnggān): 乾燥機を100〜120℃に予熱し、含水率6〜8%、葉が指で粉になるまで乾燥する。
- 提香(tíxiāng): 焙煎機で90℃、約40分。含水率6%未満まで仕上げる。
無形文化遺産登録技術の保持者によると、手作業では一芽一葉を用い、摊放、強火での殺青を鍵とし、手揉み、乾燥、提香を行うという。
「象州古琶」の商標では紅茶や白茶も生産されており、紫芽を用いた紅茶(紫芽象州古琶紅茶)もあるが、保護文書が規定するのは緑茶のみである。
6. 官能評価の特徴
保護文書による。
- 乾燥葉の外観: 条索は緊結し、色は緑で毫(うぶ毛)がある(条索紧结,色绿有毫)。
- 乾燥葉の香り: 確認できた資料に個別の記述はない。
- 水色の香り: 濃厚で花香がある(香气浓、有花香)。
- 味: 甘くまろやか(滋味甘醇)。
- 水色: 黄緑色で明るい(汤色黄绿亮)。
- 茶殻: 黄緑色(叶底黄绿)。
保護文書が対象としない紫芽紅茶について、2024年の出版物は、わずかに青紫色を帯びた紅色の水色、毫のある芽、持続性のある香りと記す。
7. 化学成分
保護文書の物理化学的要件:
| 指標 | 要件 |
|---|---|
| カフェイン | 2%以上 |
| 茶ポリフェノール | 20%以上 |
| 水溶性抽出物 | 40%以上 |
| 遊離アミノ酸総量 | 4%以上 |
これらは文書の基準であり、特定ロットの測定値ではない。農産物地理的表示の説明は、国家標準GB 2762(汚染物質)およびGB 2763(残留農薬)への適合も求めている。
8. 淹れ方
緑茶としての標準的な方法。
- 湯温: 80〜85℃。
- 茶葉量: 150mlあたり3g。
- 茶器: ガラスコップまたは白磁の蓋碗。
- 手順:
- 茶器を温める。
- 茶葉を入れ、湯を器の内側に沿って注ぐ。
- 最初の抽出は40〜60秒。
- 茶湯を一部残して飲む。
- 2〜3回の再抽出が可能。
9. 保存
緑茶としての標準的な方法。密閉容器に入れ、0〜5℃の冷蔵庫で、光、湿気、においを避けて保存する。1年以内に飲み切ることが望ましい。
10. 価格と偽物対策
確認できた資料に完成品の価格はない。2024年の県の報告によると、企業は農家から生葉を単芽で1斤(500g)80元、一芽一葉で1斤15元で買い付けた。
- 偽物を避けるために:
- 地理的表示の専用標章を探す。標章の使用権は、象州県の知識産権部門、広西管理局、CNIPAを通じて産地内の生産者が取得する。
- 原産地を確認する。妙皇郷の12行政村のいずれかであること。
- 「古琶」は村の名であり、茶の等級ではないことに留意する。この商標の紅茶や白茶は保護文書の対象外である。
11. 興味深い事実
- 保護文書は等級区分を示していないが、揉捻の規定において原料を特級、一級、二級に分けている。
- 殺青は文書上260〜280℃で行い、提香はわずか90℃である。
- 遊離アミノ酸の基準は4%以上で、同じ公告第640号の紅茶である木梓阿婆茶(木梓阿婆茶)の2.5%超より高い。
12. 他の広西茶との比較
- 金秀紅茶(金秀红茶): 同じ来賓市の大瑶山山地に産する紅茶。古琶茶は同じ山系の西麓に位置する。
- 西山茶(西山茶): 桂平の緑茶。家伝によると、古琶村のある一族の祖先は西山付近から移住したとされる。
- 木梓阿婆茶(木梓阿婆茶): 貴港市の紅茶。同じ公告第640号に含まれる。
結論として:
古琶茶は、大瑶山西麓の妙皇郷12村に産する緑茶であり、緑色と紫色の芽を持つ在来群体種から作られる。保護文書は、各工程の温度と時間を定めた半機械化技術と、緊結した緑色で毫のある外観、黄緑色の水色、花香を規定する。この茶は、2020年の農産物地理的表示、2021年の無形文化遺産、2025年のCNIPA認定という三層の保護を受けている。初期の歴史は、年代の異なる複数の伝承に依拠している。
出典
地理的表示
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