望海茶(ヴァンハイチャ、望海茶)は、浙江省寧波市寧海県の山岳緑茶である。その名は望海崗という山に由来し、「海を望む尾根」を意味する。県の新聞によれば、そこから象山湾の水面を見渡せるという。この茶は1980年に創製され、2004年には浙江省十大銘茶に選ばれた。「三緑」、すなわちエメラルド色の乾燥茶葉、澄んだ緑色の水色、柔らかな緑色の茶殻で知られる。2016年からは地理的証明商標によって名称が保護されており、省のデータベースによれば、その使用を認められている企業は30社である。
1. 分類と産地
- 種類: 緑茶(绿茶、lǜchá)。各種資料では緑茶に分類されており、製法は殺青、揉捻、理条、乾燥であり、酸化や堆積は行わない。
- カテゴリー: 山岳銘茶。浙江省十大銘茶(2004年)。地理的証明商標(2016年)。
- 産地: 中国浙江省(浙江、Zhèjiāng)寧波市(宁波、Níngbō)寧海県(宁海、Nínghǎi)。茶の故郷は県西部、深甽鎮の望海崗村で、新昌県との境界に近い。県の新聞(2018年)によれば、望海茶の原料は現在県全域から集められている。
- 商標の区域: 省の地理的商標データベースでは、権利者の行政区分として寧海県が示されている。法的な生産区域の境界については確認していない。
- 地理座標: 北緯約29.3度、東経約121.4度(寧海県)。
2. 歴史と文化的重要性
- 歴史:
- 宋代の記録。 『嘉定赤城志』は寧海県の寺院について記す中で、県城の北92里にある宝厳院はかつて「茶山」と呼ばれ、宝元年間に建立されたと伝える。伝承によれば、建立の際に白衣の道士が山に茶樹を植えたため、そこには茶がとりわけ多いという。治平年間に僧の宗辩がこの茶を都へ携えて蔡襄に献じたところ、蔡襄はその品質を日鋳茶より優れると評し(其品在日鋳上)、寺のために現在の名を求めた。同書の物産の項も、寧海の「茶山」を台州で最も優れた茶の産地の一つに挙げている。
- 望海茶との関係は県の見解による。 県の新聞(2018年)によれば、1980年に県の農業技師たちが歴史的な「茶山の茶」を復興するため、望海崗村で銘茶の試作を始め、初回は0.9kgが得られた。やがて若栗の香りを持つこの茶は「望海茶」と名付けられた。2007年、杭州でのシンポジウムで県は自らの「千年」の茶の歴史を確認し、茶山には茶事碑が建てられた。これは県が主張する系譜であり、望海茶自体は1980年の創製である。
- 1980年代。 同紙によれば、この茶は3年連続で省級一級銘茶の称号を得た。
- 1999年。 県は一ブランド計画を採用し、望海茶は県全体の茶の統一名称となった。ブランド管理は県茶業協会に委ねられた。計画の当初から寧波市の地方標準「望海茶」が苗木から加工まで適用されている。
- 2002年~2004年。 協会は2002年8月に「望海茶」の商標を出願し、登録は2004年3月。
- 2004年。 浙江省十大銘茶に選出。
- 2015年~2016年。 地理的証明商標は2015年6月1日に出願され、2016年7月14日に登録。登録番号17083666、第30類。権利者は寧海県茶業協会(宁海県茶业協会)。県の新聞は商標取得を2017年としているが、これは登録簿と一致しない。
- 受賞歴: 県の新聞(2018年)によれば、1999年以降に100以上の賞と称号を受け、その中には「中華文化名茶」「浙江名牌産品」、浙江省著名商標が含まれる。
- 名称: 望は「遠くを見る」、海は「海」。県の新聞によれば、望海崗は県内で最も高い山の一つであり、山が村に名を与え、村が茶に名を与えた。
- 文化的重要性: 同紙によれば、望海崗村は浙江省最後の「労働点数村」(工分村)であり、「一村一品」プログラムの模範村である。
3. 植物学的記述と原料
- 品種/栽培品種: 具体的な品種は確認した資料では挙げられていない。県の新聞によれば、県は実生栽培からクローン性の優良品種(无性系良种)への転換を進めており、その割合は60%を超える。
- 摘採基準: 資料では主に一芯一葉初展(一芽一叶初展)および一芯一葉とされる。県の新聞は「三不採」(三不采)という規則を挙げる。すなわち、雨に濡れた葉、病虫害のある葉、紫芽を摘まない。
- 摘採時期: 2017年の記述によれば、清明の1週間後から5月10日まで。
4. テロワールと栽培の特徴
- 地域: 参考資料によれば、寧海県は浙江の東海岸、象山湾と三門湾の間に位置し、天台山脈と四明山脈が交わる場所にある。西は新昌県と天台県に接する。地形は「七分の山、一分の水、二分の田」(七山一水二分田)。地図データによれば、望海崗の山頂は931m。
- 栽培高度: 茶園は主に標高900m以上に位置する。
- 気候: 資料によれば、茶園は雲霧の中にある。気候データは確認した資料にはない。
- 土壌: 2017年の記述によれば、主に赤色土と黄赤色土。600m以上には「香灰土」と「烏沙土」と呼ばれる自然肥沃度の高い土壌が見られる。
- 規模: 県の新聞(2018年)によれば、1980年時点で望海茶は望海崗の200畝の茶園のみから作られていたが、現在は原料が県全域から集まる。県内の茶園面積は5.5万畝で、生産額は1999年の2134万元から2017年には3億元に伸びた。
5. 製造工程
資料は以下の工程を示す。理条は県の新聞(2025年)が加えている。工程の数値は確認した資料にはなく、標準規格の本文は閲覧していない。
- 生葉の萎凋(摊放、tānfàng)。
- 殺青(杀青、shāqīng)。
- 冷却(摊凉、tānliáng)。
- 揉捻(揉捻、róuniǎn)。
- 理条(理条、lǐtiáo): 細く真っ直ぐな形状をつくる。
- 一次乾燥(初烘、chūhōng)。
- 再冷却(摊凉、tānliáng)。
- 最終乾燥(足烘、zúhōng)。
- 篩い分け(筛、shāi)。
6. 官能的特徴
2015年~2017年の資料による。県の新聞による補足はその旨記す。
- 乾燥茶葉の外観: 細くて締まり、真っ直ぐな形状(条索細緊、挺直)。緑色で、白毫が目立つ(色沢緑翠顕毫)。県の新聞によればエメラルド緑(翠緑)。
- 乾燥茶葉の香り: 単独の記述は確認した資料にはない。
- 水色の香り: 高く持続性があり、若栗の香りを伴う(香高持久、并有嫩栗香)。乾燥茶葉か水色かは資料では明記されていないが、通常の評価方法では水色の香りを指す。
- 味: 新鮮でまろやか、爽快(鮮醇爽口)。
- 水色: 若草色で澄み、明るい(嫩緑清澈明亮)。県の新聞によれば清らかな緑(清緑)。
- 茶殻(抽出後の葉): 若草色で明るく、均整がとれている(嫩緑明亮勻斉)。
7. 化学成分
物理化学的データは確認した資料にはない。
8. 淹れ方
緑茶の標準的な方法。
- 湯温: 80~85℃。
- 茶葉量: 150mlに対して3g。
- 茶器: グラス。真っ直ぐな芽の形状が見える。
- 手順:
- グラスを温める。
- 茶葉を入れ、少量の湯で湿らせる。
- 湯を注ぎ、最初の抽出は40~60秒。
- 茶湯を少し残して飲む。
- 湯を注ぎ足す。
- 2~3回の注ぎ足しが可能。
9. 保存
標準的な方法。密閉包装で、冷蔵庫にて0~5℃。光、湿気、匂いを避ける。1年以内に飲み切るのが望ましい。
10. 価格と偽物対策
望海茶自体の価格は確認した資料にはない。県の新聞(2018年)によれば、県内の銘茶の平均価格は1999年の1kgあたり190元から800元に上昇した。
- 偽物を避けるには:
- 地理的証明商標「望海茶」(第17083666号)を探す。省のデータベースによれば、使用が認められているのは30社。
- 県の新聞によれば、この名称の茶は協会の包装センターで検品を受け、等級判定、残留農薬および重金属の検査が行われる。各社は共通商標と共に自社商標を表示する。
- 生産者が寧海県内であることを確認する。
- 茶葉は細く真っ直ぐで緑色、白毫があること。水色は若草色。茶殻は若草色。
- 商標の状況: 2026年の登録簿では、出典の時点で商標は登録されている。省のデータベースは2019年までのものであり、現在も有効かは未確認。
11. 興味深い事実
- 1980年の初回生産量は0.9kgだった。
- 確認できた最も古いこの地の茶への称賛は、蔡襄が寧海の茶を日鋳茶より優れると評したことである。
- 県の新聞によれば、望海茶は寧波大学の専門家が開発したブランドアイデンティティ制度を導入した浙江省初の茶ブランドである。
12. 他の茶との比較
- 大仏龍井(大佛龍井): 隣県新昌の扁平な茶で、望海崗はその境界近くにある。望海茶の茶葉は扁平ではなく、細く真っ直ぐである。
- 天台山雲霧茶(天台山雲霧茶): 隣県天台の山岳緑茶で、同じ天台山系に属する。
- 蒼南翠龍茶(蒼南翠龍茶): 浙江南部の扁平な緑茶。茶園の標高は約400mで、望海茶よりはるかに低い。
まとめ:
望海茶は標高900mを超える山岳緑茶であり、海を望む山から来る。細く真っ直ぐな白毫のある茶葉、若栗の香り、新鮮でまろやかな味、「三緑」が特徴である。その背景には、県が自らの前史とみなす宋代の「茶山」の記録、「労働点数村」望海崗、1999年の一ブランド計画、そして2016年の商標がある。グラスで淹れるのにふさわしい茶である。
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