鍾祥米茶(Zhōngxiáng mǐchá、钟祥米茶)は、湖北省鍾祥市(钟祥市)の夏の食べ物であり飲み物でもある。鉄鍋で水分がなくなるまで炒った米を水で煮た「米茶」である。確認できたいずれの記述にも茶葉は含まれておらず、分類上これは茶ではなく穀物飲料である。地元では「食べれば腹を満たし、飲めば渇きを癒やす」(食之果腹,饮之解渴)と言い表される。2018年から地理的証明商標によって名称が保護され、2021年からは団体標準が適用されている。
1. 分類と起源
- 種類: 炒り米を用いた穀物飲料および料理。Camellia sinensis の葉は含まれず、茶としての等級もない。
- カテゴリ: 地理的証明商標(2018年)。郷土料理。
- 標準分類: 商標の団体標準では飲料に区分され、国際分類では「茶、コーヒー、ココア」の部に置かれる。これは分類上の措置であり、茶葉が含まれることを示すものではない。
- 起源: 中国湖北省(湖北、Húběi)荊門市(荆门、Jīngmén)鍾祥市(钟祥、Zhōngxiáng)。
- 商標の区域: 確認できた資料に正確な境界はない。商標権者は鍾祥市特産協会(钟祥市特产协会)である。
- 俗称: 百度百科によれば「炒米茶」(chǎomǐchá)および「沏米茶」(qīmǐchá)。
2. 歴史と文化的意義
- 歴史:
- 明代宮廷の伝承。 鍾祥市委宣伝部が新華社系サイトに寄せた記事(以下、新華社)および湖北省知的財産局は次の伝説を紹介する。興王朱祐杬(Zhū Yòuyuán)の封地は安陸州、現在の鍾祥である。その妃は妊娠中、精巧な料理を受けつけなかった。料理人が自宅で作っていた米茶を差し出すと食欲が戻り、この料理は「民間から宮廷へ」入った。妃の子は後に嘉靖帝となる。新華社の説では、紫禁城へ移った後も妃は夏になると米茶を作らせたという。これは伝承であり、文書記録ではない。
- 別の説。 料理人は最初、米のおこげ(锅巴)で雑炊を作っていたが、やがて米を直接炒るようになった(一般向け資料)。
- 1531年。 参考サイトによれば、この年に県は鍾祥と命名された。米茶そのものとの直接の関係はない。
- 過去の原料。 新華社によると、かつて米茶は精白した大麦(麦米)で作られ、暮らしが豊かになるにつれて米へ移行した。
- 2018年。 商標「钟祥米茶」(登録番号26327613)が2018年12月20日に登録公告された。
- 2020~2022年。 2社が商標の使用権を取得。1社は2020~2023年、もう1社は2022~2028年。前者が更新されたかは確認できた資料にはない。
- 2021年。 団体標準T/ZXTC 001-2021「地理标志证明商标 钟祥米茶」を発表(4月18日公布、4月25日施行)。
- 2020~2023年。 『湖北日報』によると、米茶は輸送の難しさと商品の単調さから長らく江漢平原の外へ出なかった。2020年に地元企業が「米茶風味パン」を発売し、2年余りで3000トン超を販売。十数品目の新商品を開発し、年間生産額は約1億元に達したという。
- 名称: 米(mǐ)は「米」、茶(chá)は「茶」。新華社は文字どおり「米から作った茶」と説明する。
- 文化的意義: 鍾祥は長寿者で知られ、米茶は「鍾祥四宝」(钟祥四宝)の一つに数えられる。中新社が伝える地元の俗謡では「爽口米茶胜琼浆」と甘露以上に称えられる。新華社によれば、初夏から晩秋まで米茶は「どの家庭でも」炒られる。
3. 植物学的説明と原料
- 植物: 稲(Oryza sativa)。過去には大麦。茶樹は含まれない。
- 穀粒: 湖北経済大学は、粒が大きく充実し、形のそろったインディカ米(籼米)、できれば玄米(糙米)か大麦のひき割りを推奨する。新華社は粒が大きく充実した米を求める。百度百科は安価な玄米「牙黄米」を最良とする。
- 標準上の品種: 確認できた資料にはない。
- 原料基地: 知的財産局によれば、商標使用権者の1社は米茶用の稲作地を2000畝有する。
4. テロワールと栽培の特徴
- 地域: 湖北省中部。漢江が市域全体を貫き、四季が明瞭で降水量は穏やか(中新社、2024年)。
- 米: 新華社は鍾祥を「魚と米の里」と呼び、米と小麦が実る地とする。中新社は鍾祥が米に恵まれると記す。
- 標高、土壌、斜面: 穀物製品のため、確認できた資料に記述はない。
5. 製造技術
新華社、湖北経済大学、湖北省知的財産局の説明による。
- 炒る(炒): 中心となる工程。鉄鍋を弱火でおよそ八分の火加減まで熱し、洗っていない米を何も加えずに入れ、へらで絶えず混ぜながら火加減と加熱むらに注意する。通常15~20分で、米が淡黄、黄金、または黄褐色になり、香りが立つまで炒る。
- 水を打つ(大学の一法): 火を止め、冷水を少量ずつ加える。乾いた炒り米が水を勢いよく吸い、冷めるにつれて音が収まる。その後、米を取り出して洗う。
- 温かい煮方(煮): 洗った米を冷水に入れ、沸騰させ、火を止めて蓋をしたまま10~15分蒸らす。
- 冷たい煮方: 洗った米を沸騰した湯に入れ、強火で米粒が「開花」するまで煮てから、たらいに移して冷ます。
大学は、粥として食べる場合は米と水の比率を約1:1、飲む場合は約1:3とし、15~20分煮ることを示す。濃さは好みによる。標準T/ZXTC 001-2021の要求事項は本文未確認である。
6. 官能的特徴
新華社および知的財産局の説明による。
- 乾燥茶葉の外観: 茶葉はない。炒った穀粒は淡黄色、黄金色、または黄褐色(色泽金黄)。
- 乾燥茶葉の香り: 炒り上がった米は強い炒り香(浓香扑鼻)を持つ、と大学は記す。
- 液の香り: 香りが高い(香气浓郁)。
- 味: かすかに甘く、水っぽくなく、わずかに渋く、苦くない(微甜不淡,略涩不苦)。一晩置いた米茶は梅の飲み物(酸梅汤)を思わせる。「酸っぱいようで酸っぱくなく、甘いようで甘くない」。
- 液色: 淡黄色(水色淡黄)。
- 茶殻: 茶殻はない。煮えた米は液とともに食べる。
7. 化学成分
この製品自体の成分についてのデータは確認できた資料にはない。新華社のコラムは通常の炊いた米の栄養価を示すのみで、米茶の成分ではない。
8. 効能
この製品自体の作用について検証されたデータはない。地元紙は血糖や血中脂質の低下に触れるが、確認できた資料に裏付けはなく、ここでは繰り返さない。
9. 淹れ方
ここでは茶を淹れるのではなく煮る。炒り米を洗い、第5節に示す二つの方法のいずれかで煮る。すなわち、沸騰させて蓋をして10~15分蒸らす温かい煮方、または米粒が開くまで煮て冷ます冷たい煮方。新華社によれば、米茶は温かく、冷たく、一晩置いて食べる。冷ました湯で薄めたり、食事の米として食べたりもする(米茶饭)。中新社は、夏は冷やして食べるのが一般的だとする。
10. 保存
炒り米の一般的な扱いとしては、乾燥した場所で密閉容器に入れ、においから遠ざける。煮た米茶は、新華社によれば素焼きのたらいに入れて翌日まで置く。確認できた資料に保存期間の記載はない。
11. 価格と偽物
確認できた資料に価格の記述はない。
- 偽物を避けるには:
- 有効な使用権を持つ企業が付す証明商標「钟祥米茶」(第26327613号)を探す。
- これは茶ではない。「米茶」と書かれた袋に茶葉が入っていれば、別の製品である。
- 説明に見られる外観は、黄金色または黄褐色の穀粒と淡黄色の液である。
12. 興味深い事実
- 穀物飲料の団体標準が「茶、コーヒー、ココア」の部に分類されている。茶葉は含まれないにもかかわらずである。
- 米茶の由来は嘉靖帝の母をめぐる伝説に結びつき、その父はこの地に封じられていた。
- 地元の言葉によれば、米茶は猛暑のときにこそ最もうまい。「暑ければ暑いほど食べて心地よい」。
13. 他の穀物飲料および茶との比較
- 大麦茶(大麦茶): 炒った大麦の浸出液。米茶もかつては大麦で作られたが、米茶は煮て穀粒ごと食べる。
- 苦蕎麦茶(苦荞茶): これも茶葉を含まない穀物飲料だが、煮るのではなく淹れる。
- 玄米茶(玄米茶): 日本の緑茶に炒り米を加えたもの。鍾祥の米茶と異なり茶葉を含む。
- 鍾祥雲霧茶(钟祥云雾茶): 同じ鍾祥市に産する本物の緑茶。
結論:
鍾祥米茶は、水分がなくなるまで炒ってから煮た米であり、鍾祥では温かく、冷たく、または一晩置いて飲み、食べる。2018年の商標、2021年の団体標準、宮廷にまつわる伝承を持つが、茶葉は含まれない。これは茶の名を持つ穀物飲料である。
出典
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